基本の考え方:折りたたまずに乗れる
2014年3月26日、国土交通省の「公共交通機関等におけるベビーカー利用に関する協議会」で、ベビーカー利用にあたっての考え方とベビーカーマークが決定・公表されました。これを受けて各鉄道会社もベビーカーマークを表示したスペースを整備しており、鉄道では、ベビーカーを折りたたまずに乗車できます。後ろめたい思いをする必要はありません。
電車への乗り方・降り方
電車の乗り降りで戸惑いやすいのは、ホームと車両のあいだに隙間と段差があることです。乗るときと降りるときで、進む向きを変えるのが基本になります。理由まで含めて順に見ていきます。
乗るときは前向きのまま乗り込む
- ドアが開いたら、降りる人が全員降りるまで待つ
- ベビーカーを前向き(進行方向にハンドルが後ろ)のまま、押す人も一緒に乗り込む
- 隙間の手前でハンドルを押し下げ、前輪を浮かせて越える
- 乗ったらすぐドア付近を離れ、スペースまで移動する
ハンドルを押し下げると、後輪側を支点にして前輪を浮かせられます。必要な力は車体の構造や荷重によって変わるため、操作方法はお使いの製品の取扱説明書に従ってください。
降りるときは後ろ向きで、押す人が先に降りる
- 降りる駅の手前で、ドア寄りへ移動しておく
- ホーム側の足元を確認する
- 押す人が先にホームへ降り、車内のベビーカーに向き合う
- ハンドルを引き気味にして前輪を浮かせ、後ろ向きに引いて隙間を越える
ホームと車両の隙間に注意
ホームと車両の隙間に車輪が落ちたり、段差に引っかかったりすると、車体が傾いて転倒するおそれがあります。降りるときは足元と隙間を確認し、前輪を浮かせて越えてください。
段差が越えられないときは
段差が大きくて越えられないときは、無理に押し込まずにいったん止まります。子どもを乗せたままベビーカーを持ち上げることは、製品によって禁止されています。取扱説明書の記載を確認し、階段やエスカレーターでは使わないでください。上下の移動はエレベーターを使います。
持ち上げが必要な場面では、子どもを降ろしてから運ぶか、駅係員に相談してください。ホームと車両の段差が大きい駅では、渡し板を用意してもらえることもあります。
車内のどこに乗ればいいか
ベビーカーマークのスペースを探す
多くの電車では、車両の連結部付近や車両端の壁面に、ベビーカーマークの付いたスペースがあります。車いすマークと併用の場合も多くあります。
設置されている位置や数は、鉄道会社・路線・車両によって異なります(1編成に数か所のこともあれば、各車両にあることも)。車内外に表示されたベビーカーマークや、車いす・ベビーカースペースの案内を目印に探しましょう。
何両目に乗ればよいかは路線で違う
「何両目に乗ればスペースがあるか」は、鉄道会社や車両の形式によって変わるため、共通の正解はありません。調べる方法は次のとおりです。
- 鉄道会社の公式サイトで、車両の設備案内やバリアフリー情報を見る
- 乗換案内アプリで、エレベーターに近い乗車位置を確認する
- ホームで待つあいだに、停車位置の案内表示や車体のマークを見る
いつも同じ駅を使うのであれば、一度確認しておくと以降がとても楽になります。
座席に座るときのベビーカーの置き方
スペースが空いておらず座席に座る場合は、ベビーカーを自分の正面に置き、ハンドルを持ったままにします。通路や乗降口をふさがない位置を選び、車内の案内や乗務員の指示があればそれに従ってください。ストッパーをかけていても揺れで動くことがあるため、手は離さないでください。
混雑した電車に乗るとき
朝夕のラッシュは、子ども自身の安全のためにも避けるのが基本です。時間をずらせない場合は、次のような選択肢があります。
- 1本見送る(5〜10分早い電車、または次の電車にする)
- 各駅停車や、比較的空いている方面・車両を選ぶ
- 抱っこ紐に切り替え、ベビーカーはたたんで持つ
混雑した車内でたたむかどうかは、その場の状況で判断して構いません。周囲に押される状態では、たたむ動作そのものが危険なこともあります。たためないまま乗ってしまったときは、通行を妨げない位置に寄せ、ストッパーをかけたうえで手で支えてください。
たたむべきタイミング
たたむ必要があるケース
鉄道車両では、たたまずに乗れるのが原則です。ただし次のような場面では、たたむか、乗車自体を見合わせる判断が必要になります。
- ラッシュ時の非常に混雑した車内(自分たちも危険なため)
- 新幹線・特急で、通路や乗降口をふさいでしまうとき(収納場所や車両設備は列車により異なります)
- 鉄道会社や乗務員から個別に案内があったとき
子どもが寝ていて動かせないときは、無理に移すよりも1本見送るほうが結果的に落ち着いて移動できます。
乗車中の固定と見守り
- ベビーカーマークのあるスペースへ移動する
- 車内の案内に従い、動きにくい向きで停める
- 必ずストッパー(ブレーキ)をかける
- ハンドルから手を離さず、常に支える
- 急ブレーキに備えて足を踏ん張る
シートベルトは車内でも締めたままにします。停車中にお子さんが立ち上がろうとして、発車の揺れで転ぶことを防げます。
マナーと周囲への配慮
- ベビーカーが大きい場合、空いた時間帯を選ぶ
- 泣き始めたらすぐにあやす
- 降りる駅では事前に出口寄りへ移動
- 「すみません」「ありがとう」の一言を忘れずに
スペースを譲ってもらったときや、乗り降りを手伝ってもらったときに一言添えるだけで、その後のやりとりが穏やかになります。
出発前に確認しておくこと
電車移動でつまずきやすいのは、車内よりも駅のなかの移動です。出発前に次の3つを見ておくと、当日の負担がかなり減ります。
- エレベーターの位置:乗り換え駅と降車駅の分も含めて、地図アプリで先に見ておく
- 時間帯:ラッシュを外した時間に動けるよう、余裕をもった計画にする
- 持ち物:交通系ICカードを取り出しやすい場所に。片手がふさがるため、抱っこ紐やおやつも手の届く位置へ
改札・エレベーターの動線
改札は幅の広い改札や有人通路を選ぶと通りやすくなります。交通系ICカードを使うと、立ち止まらずに通過できてスムーズです。
困ったら駅係員へ
エレベーターの場所、乗降時の補助など、困ったときは遠慮なく駅係員に相談しましょう。ホームと車両の段差が大きい駅では、渡し板を用意してもらえることもあります。ただし安全上の理由から、対応方法は駅の設備や混雑状況によって異なります。